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テレワークや在宅勤務時の監視体制について
テレワークや在宅勤務下では普段オフィスでの働き方とは異なり、目が行き届かないため進捗管理も難しくなるという課題があり、どうのようにして今までのようにマネジメントしていくべきかということがよく議論されています。
そこで、責任者の監視による管理が重要視されています。
また、会社が従業員に貸し出ししているPCやスマートフォンなどの端末に関しても、従業員がどのように利用しているのかを管理・監視していないと思わぬセキュリティ事故につながる恐れもあります。
ですが、行き過ぎた監視による従業員のやる気低下やプライバシーの侵害につながる可能性も十分ありますので、注意が必要です。
このようなリスクを回避するためにも、監視・モニタリングの目的を明確化し、監視に関する内容を就業規則に明記し従業員に周知しておくことが必要になります。
監視(モニタリング)に取り組むために
主な監視の目的は、以下となります。
- 業務の進捗状況の把握をするため
- 社内規則の遵守を確認するため
- セキュリティ対策
会社の顧客情報や機密情報を守ることはもちろんですが、従業員のプライバシーを配慮した監視のために目的や対象をきっちり明確化しましょう。
次に、監視体制を整えるにあたり、どのように実施していくかを決める必要があります。
ここを人力だけで24時間365日監視することは到底できませんので、ツールなどを活用して効率よく、持続可能な体制を整えましょう。
業務の進捗状況の把握
「業務の進捗状況の把握」を行うためには、勤務時間などの勤怠管理やチームや部署単位でのタスク管理・報告業務が重要となります。
勤務時間などの勤怠管理は、クラウド勤怠管理ツールを活用することで管理が可能です。
位置情報機能(GPS機能)と連携しているクラウド勤怠管理ツールを使うことで、より正確な勤怠情報を把握することができます。
また、クラウド勤怠管理ツールならリアルタイムで収集・集計が可能なため、労務の業務効率をアップすることも可能です。
会計ソフトを利用されている方は、利用しているソフトの形式でエクスポート(データ抽出)ができるツールを使うことで、
労務管理に費やす業務時間を大幅に削減することが可能です。
従業員向けに会社からスマートフォンなどの携帯端末を導入されていれば、外出先など場所を選ぶことなく業務の進捗状況の把握が可能となり、非常に便利です。
また、進捗状況を実施する上で、スケジュール管理とタスク管理をまとめて把握をするには、ビジネスチャットツールをおすすめします。ビジネスチャットツールは、法人や個人事業主の方向けにビジネスの場面での利用に特化したコミュニケーションツールです。
代表的なビジネスチャットツールとは、以下となります。
- Microsoft teams:office 365との連携がメリット
- slacks:世界で最も利用されている
- LINE WORKS:ビジネス版LINEとして馴染みのあるUI/UXデザイン
- Chatwork:国内利用者数が最も多い
- JANDI:各ビジネスツールとの連携がメリット
社内規則の遵守を確認する
「社内規則の遵守を確認する」ためには、規則の周知・定期的なチェックが重要となります。
基本的なセキュリティ対策方法として、利用ルールの設定・遵守の徹底でセキュリティ事故を未然に防ぐことが可能です。
会社携帯の運用・利用ルールの詳細に関しては、関連記事を併せてご確認ください。
詳しくは「会社携帯は利用ルールが必須!想定リスクとポイントについて」をご覧ください。
また、社内規則をしっかり順守させることで、不必要な監視も減らせるので管理者、従業員ともに時間だけでなく、精神的な負担を軽減できます。
周知や定期的なチェックには、Googleや先ほど記載しているビジネスチャットツールなどのアンケート機能を使うと非常に簡単に実施が出来ておすすめです。
セキュリティ対策
「セキュリティ対策」には、アクセスログの管理や通信キャリアのセキュリティ対策サービス、セキュリティアプリで対策が可能となります。ノートPCや会社携帯として利用する端末は、基本的に会社で一括管理が可能なため、アクセスログ管理も簡単に行うことができます。
アクセスログ管理を行うことで、機密情報の流出の防止やトラブル時の迅速な対応を可能にし、再発防止にも有効です。
また、会社携帯の場合は、通信キャリアのセキュリティ対策サービスを活用することもおすすめします。
ドコモ(docomo)・au・ソフトバンク(softbank)の各キャリアで細かい内容は異なりますが、代表的なセキュリティ対策は、以下となります。
- 法人携帯端末の一括管理(MDM)
- 紛失時等に安心の遠隔ロック
- ウイルス対策
従業員の個人携帯を業務用携帯として利用する場合、プライベートとの併用となるため法人携帯よりもセキュリティ面でのリスクは高まりますので、セキュリティアプリをインストール済みのスマホを従業員に支給する企業様が多くいらっしゃいます。
位置情報を利用した監視方法
スマートフォンなどに導入されている位置情報機能(GPS機能)は、「全地球測位システム」と呼ばれ、人工衛星からの電波を受信して人やモノの現在地情報を特定するシステムを指します。
直行直帰が多い社員やテレワーク・在宅勤務時の業務中の監視として位置情報機能(GPS機能)を利用することはいいのか?
このような疑問を持たれている責任者の方も多いのではないでしょうか。
結論は、位置情報機能(GPS機能)の利用は「問題ありません」。
利用目的が「労務管理」かつ、利用時間は「業務時間内に限る」条件であれば問題なく利用可能ですが、位置情報機能(GPS機能)を利用して監視することに対し、多くの授業員がマイナスイメージを持つことでしょう。
ですが、位置情報機能(GPS機能)を利用して監視することに対し、良く思わない従業員の方が多いです。
そのようなマイナスイメージを払拭するために、監視目的・内容・方法を就業規則などに明記し徹底することが非常に重要です。
位置情報の利用メリット
位置情報機能(GPS機能)の利用メリットとしては、以下となります。
「正確な勤怠管理・労務管理が可能」
勤怠管理システムと位置情報の活用で、リアルタイムで正しい勤務時間で従業しているかの確認や正確な位置情報により正しい勤務場所にいるかどうかの把握が可能になります。
「緊急時に従業員の位置情報をいち早く把握可能」
災害などの緊急時の対応として、位置情報を利用するケースが増えています。
普段は位置情報機能(GPS機能)の取得はしないが、緊急時のみ取得をし、対応に活用する旨を社内規定に記載し利用する企業様もいらっしゃいます。
また、建設現場で働く技術職や外回りが中心の営業職など職種によっては、予想外の事故などトラブルに遭う可能性が高まります。こうしたトラブル・緊急時の対応として、位置情報を取得・把握することは有効的と言えます。
「業務効率化を図ることが可能」
位置情報の取得で業務の効率化を図り、従業員の生産性を向上することが可能です。
例えば、運送業務で配送中にイレギュラーな対応が必要になった場合に近くにいる別のスタッフに指示をすることで、無駄な移動コストを抑制し、効率よく業務を進めることができます。
位置情報の利用デメリット
位置情報機能(GPS機能)の利用デメリットとしては、以下となります。
「使い方によってはプライバシーの侵害に当たる可能性」
先ほど述べたように、利用目的が「労務管理」かつ、利用時間は「業務時間内に限る」条件に当てはまらない場合は、プライバシーの侵害に当たる可能性があります。位置情報機能(GPS機能)を取得する場合は、利用目的・利用時間に十分注意することが必要です。
「従業員のモチベーション低下につながる可能性」
従業員に対し位置情報機能(GPS機能)の利用に対する承諾を受けていない場合や不当に利用し行き過ぎた監視に利用する場合、従業員が待つ会社への心象が悪くなり、結果従業員のモチベーション低下につながる可能性が十分にあります。
位置情報を利用する際のポイント
このように、位置情報機能(GPS機能)の利用にはメリット・デメリットがありますが、上手に活用するために以下に気を付けましょう。
- 位置情報機能(GPS機能)の取得に関する内容を就業規則に明記する
- 位置情報機能(GPS機能)の利用目的
- 内容・方法を周知する
- 業務時間外の取得は禁止とする
勤怠管理・労務管理や業種によって、上手に活用すれば社内の生産性アップにつながります。
ポイントを抑えて、会社・従業員にプラスとなるよう活用しましょう。
会社携帯の位置情報取得システム一覧表
位置情報の取得方法は様々あり、こちらでは代表的な位置情報の取得方法をご紹介致します。
基本位置情報取得システム
システム種類 | 仕組み・技術 | 精度レベル | 適用場面 | 特徴・注意点 |
---|---|---|---|---|
GPS (全地球測位システム) |
スマートフォン内蔵GPS機能による衛星信号受信でリアルタイム位置取得 | 極めて高精度 数メートル以内の誤差 |
•屋外での正確な位置把握 •営業先訪問確認 •外回り業務管理 |
屋内や地下では精度が低下。バッテリー消費が大きい |
Wi-Fi位置情報システム | 周辺Wi-Fiアクセスポイントの信号を利用して位置を推定 | 中程度精度 数十メートル程度の誤差 |
•屋内での位置把握 •オフィスビル内の管理 •GPS電波が届かない場所 |
Wi-Fiアクセスポイントの密度に依存。都市部ほど精度が高い |
モバイル基地局情報 (セルタワー) |
通信中の携帯基地局の位置情報から大まかなエリアを特定 | 低精度 数百メートル〜数キロ単位 |
•他の手段が使えない場合 •大まかなエリア把握 •バックアップ機能 |
精度は低いが、電波が届く限り機能する。消費電力が少ない |
会社携帯の位置情報・GPSを利用した監視(モニタリング)のまとめ
会社携帯やノートPCなどの監視や管理を行うことは必要ですが、目的や手段などを明確化し、適切な扱いが必要です。
ツールやアプリの活用、位置情報の活用などで従業員の監視・管理方法だけではなく、生産を上げるような効果を生み出すことも可能です。監視・管理について従業員に周知・了承を得た上で進めることが重要です。
上手に会社携帯やノートPCなどデバイスを活用し、より効率よく、より効果的にビジネスを進めましょう!