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法人携帯を導入した企業にとって、日々の「運用」と「管理」は、見落としがちな大事なテーマです。
「導入したはいいけど、社員がスマホをなくしたら?」「退職後の回線はどうすれば?」「名義変更って手間?」など、契約後の“あるあるトラブル”は意外と多く、放置するとコストやリスクに跳ね返ってきます。
この記事では、法人携帯の基本的な運用管理から、実際によくあるケース別の対処法、支払い・契約情報の管理のコツまで、わかりやすく・実務ベースで解説していきます。
法人携帯の「運用」と「管理」はどこが違う?
まず、「運用」と「管理」の違いをざっくりおさらいしておきましょう。
- 運用:実際にスマホや携帯を現場で使う社員がどう使っているか
- 管理:情報システムや総務部門などが台帳や契約をどのようにコントロールしているか
つまり、社員が勝手に使ってしまっていたり、退職後も回線を放置していたりすると、管理不備としてセキュリティ事故や無駄なコストにつながるというわけです。
【ケース①】社員が法人携帯を紛失したときの対応手順
実務上、最も多いトラブルが「紛失」。対応を間違えると、情報漏洩や不正利用のリスクがあります。
1. 社員本人がすぐに上長または管理部門に報告
まずは「どこで・いつ・何を」なくしたかをヒアリング。時間との勝負です。
2. キャリアへ「回線停止」の依頼
SoftBank・docomo・au・楽天モバイルなど、法人契約専用の窓口から即時停止が可能です。
3. 必要に応じて警察へ「遺失届」を提出
法人名義での届出も可能です。届出番号が後の再発行時などに必要になることも。
4. リモートでのデータ消去・ロック
「MDM(モバイルデバイス管理)」を導入していれば、位置情報の追跡や遠隔ロックも可能。
導入していない企業は、次のリスク対策の見直しを。
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【ケース②】社員が退職したときの回線処理
退職者が増えると、スマホの回線が「幽霊契約」状態に。気づかぬうちに月額料金が垂れ流しに…なんてことも。
1. 退職日より前に「利用停止」処理
最も確実なのは、退職前に携帯を回収し、キャリアへ「利用停止」または「番号保管」などの処理依頼をしておくこと。
2. 別社員への「名義変更(利用者変更)」も選択肢
退職者と後任が決まっていれば、回線の譲渡(SIM差し替え)で再利用が可能です。
3. 契約数と実利用者数の定期的な見直しを
「誰がどの端末を使っているか」の台帳を最新化しないと、不要な契約がそのまま維持されてしまいます。
【ケース③】社員間の異動・部署移動で名義変更するには?
営業から内勤へ、拠点間での異動など、業務内容の変化によってスマホが不要になることも。その場合、回線の「名義変更」や「譲渡」を行うことになります。
1. 法人契約の場合は「利用者情報の変更」で対応
契約名義(法人名)は変えず、利用者名や所属部署を変更する手続きが一般的です。
2. SIMカードの差し替え、端末のリセット
セキュリティ観点から、初期化後に次の社員へ引き渡すのがベスト。
3. キャリアの専用管理ポータルを活用するとスムーズ
SoftBankの「法人コンシェルサイト」や、docomoの「ビジネスオンライン」などで利用者変更手続きが可能です。
【ケース④】支払い・請求書・名義管理で注意すべきポイント
経理部門・管理部門が直面しがちな「支払い」「請求書」「名義変更」の実務も地味に重要です。
1. 支払い口座と契約者名義を一本化
支払いは法人口座、契約者は代表者個人名義……というズレがあると、後でトラブルになりがち。
2. 電子帳簿保存法への対応
請求書が紙で届いている場合は電子化の検討を。PDFデータをクラウド保管するなど、法対応が必要です。
3. MNP(乗り換え)や解約時は名義確認を厳重に
契約名義が曖昧だと、「本人確認できず解約できない」といったトラブルも。
法人携帯の運用・管理をスムーズにするコツ
ここまで紹介した各ケースを踏まえ、実際にトラブルが起こる前に備えるためのポイントを整理しておきましょう。
1. 台帳管理を“Excelで済ませない”
利用者・端末・電話番号・回線数・契約状況を一元管理できるシステムやSaaSの導入を検討しましょう。
2. MDMで「もしも」に備える
スマホを失くしても、遠隔でロックやデータ削除ができる環境があるかどうか。
特に顧客情報や業務アプリを扱っている場合は必須です。
3. 契約キャリアを「法人向け専用プラン」にする
個人契約の流用では、請求書や管理ポータル、名義変更手続きが煩雑になることも。
法人専用プランはサポートも手厚く、運用負担を軽減できます。
法人携帯の管理に役立つサービスやツール例
以下は、法人携帯の運用・管理を効率化する代表的なサービスです。
| ツール名 | 特徴 |
|---|---|
| SmartGo | 回線の割当・利用状況を可視化し、部署ごとの利用分析も可能 |
| AirWatch(VMware) | MDMとして端末の遠隔ロックやアプリ管理が可能 |
| MobileIron | スマホ端末に対する統合的なセキュリティ対策 |
| キャリア専用ポータル(SoftBank法人コンシェルなど) | 利用者の変更や回線停止を一元管理 |
まとめ|法人携帯の「運用・管理」は契約後が本番
法人携帯の導入はゴールではなくスタート。
実際の業務の中では、紛失・退職・異動・名義変更・支払いなど、さまざまな“事件”が発生します。
その都度バタつかず、仕組みとして管理できるかどうかが、企業のコストやリスクに大きく影響します。
「うちはまだExcel管理だな…」「MDMはコストかかるし…」と感じた方は、小さくてもできるところから一歩ずつ。
“もしものとき”に後悔しない、スマートな法人携帯の運用を目指していきましょう。
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