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企業でのスマホ導入が加速している背景
2018年に「働き方改革関連法案」が成立し、翌年には働き方改革を進めるため各種労働関連法の改正が進められました。
また、2020年頃からの新型コロナウイルスが蔓延した影響もあり、テレワークやリモートワークが普及し私たちの働き方は大きく変わってきています。
総務省の調査によると、2020年にはおよそ半数の企業でテレワークを導入しているとわかりました。
出典:総務省 情報通信白書令和2年版「通信利用動向調査」を加工して作成
このような背景から、企業でのスマホ活用も併せて拡大しています。
多様な働き方を実現するための手段として、スマホとITツールを利用されるケースが増えています。
本記事では、テレワークやリモートワーク時以外でも、「スマホ × ITツール」で業務に役立つ活用方法をご紹介します。
抱えている問題・課題を解決するためのヒントとして活用ください。
テレワーク導入時によくある課題とITツールを使った解決策とは
ここでは、テレワークを導入しない理由から、企業で抱えている課題について触れていきます。
出典:総務省 情報通信白書令和2年版「通信利用動向調査」を加工して作成
最も多くの方が回答した課題としては「業務がテレワークに適していない」ということでした。
運送業や接客業など、現時点ではどうしても難しい業種はあるかと思います。
ですが、2位以下の課題については、スマホとITツールを活用することで解決することができます。
それでは一つずつ詳しく見ていきましょう。
業務の進行管理は進捗管理と連携機能で解決!
34%の企業が「業務の進行が難しい」と回答しましたが、
進捗管理が「いつでも・どこでも・誰でも」できれば課題の解消につながります。
進捗管理が可能なサービスは多々ありますが、サービス導入時のポイントについて紹介します。
【ここだけは押さえておきたいポイント】
- 誰でも使いやすい設計になっているか
- スケジュールやタスクの優先度が可視化できるか
- 課題や問題を早期発見が可能か
業務を滞りなく進行するためには、関係する従業員全員が共通認識を持ち、進捗を管理・把握する必要があります。
そのため、進捗管理ツールを導入する際は、シンプルな操作性で誰でも使いやすいものになっていることが必須です。
また、スケジュールやタスクの優先順位をカンタンに可視化できるツールだと非常にスムーズに進捗管理が可能になります。
さらに、取り組んだタスクから課題や問題点を発見できるものであれば、次に活かすことができるので、より一層の業務のクオリティ改善にもつなげることができます。
大手の進捗管理ツールとしては、「Backlog」や「Trello」、「Asana」などがあります。
導入の際は、業務内容など利用環境に合わせて選びましょう。
また、後述するビジネスチャットの中には、これらのツールと連携することで、進捗状況などをアラートすることも可能です。
関係する従業員全員に共通認識を持たせる上で、とても効果的な方法です。
併せて検討してみてはいかがでしょうか。
情報漏えいは法人携帯&セキュリティ対策ツールで解決!
13.7%の企業が「情報漏えいが心配」と回答しましたが、業務専用の携帯端末を貸与し、自社にあったセキュリティ対策ツールを導入することで課題の解消につながります。
業務専用の携帯端末を貸し出す際は、法人名義でスマホを契約する必要があります。
法人名義で契約することで、コストとセキュリティの両方にメリットがあります。
法人名義(法人携帯)のメリットについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
従業員個人がプライベートで利用するスマホで業務上のやり取りを行うと、プライベートで利用しているSNSなどへの誤送信や紛失時の情報漏えいリスクが高まります。
一方、業務専用のスマホを貸し出すことで、遠隔操作や一括管理が可能となるため情報漏えいリスクをある程度抑えることができます。
また、貸し出すスマホを業務に関する利用のみに制限し、必要な場合は監視していることを周知することで、従業員の危機管理意識も高まります。
さらに強固なセキュリティ対策を整えるために、法人携帯と併せてセキュリティ対策ツールの利用をおすすめします。
ここでは手軽に利用しやすいものをいくつかピックアップしてご紹介します。
VPNサービス
VPNとは、Virtual Private Networkの略で、インターネット上にプライベートネットワークを拡張する技術のことをいいます。
データを暗号化した状態で通信することができるため、悪意のある第三者による盗聴などのリスクを軽減します。
特に、Wi-Fiを利用する場合はVPNを利用することをおすすめします。
無料で利用できるものもありますが、セキュリティ対策がどのようになされているかしっかりと確認した上で利用するようにしてください。
通信キャリアが提供するセキュリティサービス
ソフトバンクやドコモなどの通信キャリアでは、法人向けにセキュリティ対策が可能なサービスを提供しています。
例えば、ソフトバンクが提供する「リモートアクセスサービス」では、社外からのネットワーク接続時にセキュアに接続することを可能とします。
利用環境に合わせて、最適なセキュリティ対策ができるよう複数のサービスを提供していますので、法人携帯の導入時に併せて検討してみてはいかがでしょうか。
セキュリティ対策にもつながる企業のスマホ運用ルールについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
外部対応はスマホ内線化で解決!
19.3%の企業が「顧客など外部対応が難しい」と回答しましたが、「場所を選ばず通話ができる」環境づくりができれば課題の解消につながります。
スマホの内線化とは、従来の「ビジネスフォン」や「PBX」に実装されていた、「転送」「外線」「内線」などの機能をスマホで利用できるサービスです。
そのため、スマホとインターネット環境さえあれば、どこでも会社の番号を利用して通話をすることができます。
通話録音機能やアナウンス機能も利用できるため、オフィスと同様の顧客対応もできます。
また、このスマホ内線化は、ノートパソコンなど他のデバイスでも利用可能となっています。
そのため、対応した内容をその場で記録する必要のあるコールセンターなどの業務も場所を選ばず業務に取り組むことができます。
社内コミュニケーションはビジネスチャットで解決!
10.3%の企業が「社内コミュニケーションが難しい」と回答しましたが、「リアルタイムにコミュニケーションができる」環境づくりができれば課題の解消につながります。
多様な働き方が拡大している中で、業務を進めていく上でも円滑にコミュニケーションを取ることはとても重要です。
オフィスや自宅、工場や店舗など、どこにいてもリアルタイムにコミュニケーションができる環境をつくるのに便利なツールが「ビジネスチャット」です。
現在、様々なビジネスチャットが提供されています。
世界で最も利用されているビジネスチャットは「Microsoft Teams」です。
Officeとの連携が可能な点がメリットです。
他にも日本国内で最も利用されている個人用チャットツールLINEのビジネス版である「LINE WORKS」もあります。
LINEと同様のUI/UXで、誰でも利用しやすいことがメリットです。
既読機能や掲示板機能を利用すれば、全社に向けた情報共有も漏れなく簡単に行うことができます。
ビジネスチャットを上手に活用して、社内コミュニケーション円滑化、活性化を進めましょう。
スマホとITツールの活用で「人材育成、技術継承」も解決!?
人材の不足や教育に充てられる時間がないなどといった課題を抱える企業も多いのではないでしょうか。
スマホとITツールの活用で、業務効率の改善や多様な働き方の実現叶える他に、人材の教育やスキルアップにつなげることもできます。
ウェブ会議ツール「ZOOM」などを利用することで、オンライン上で研修会を開くことができます。
研修会の内容は録画機能を活用し、さらにビジネスチャットなどで全社員に共有することでアーカイブ化も併せてできるので手軽に人材教育に活用することができます。
また、40分以内内容であれば、無料で利用することができます。
40分経つとZOOMが切れてしまうので、その際は再度繋ぎ直す必要があります。
ちなみに、ZOOMの有料プランを契約すると時間制限のストレスから解放されます。
技術継承への対応としては、ビジネスチャットの掲示板機能を活用することを提案します。
トラブルやクレーム時の対応方法や業務に関わる内容を掲示板に掲載しておくことで、
一度共有してしまえば必要な時に掲示板内で検索することで解決する仕組みが作れます。
講習会と併せて、ビジネスチャットでの情報共有を常に行うことで従業員全体のスキルアップにもつながり、顧客対応の品質向上が可能です。
まとめ
本記事で紹介した例のように、テレワーク導入の課題はスマホとITツールを上手に活用することで解決することができます。
また、テレワークに限らず、業務における課題に対しても活用することができます。
ITツールの導入時には、ITツールを使うということを目的とせず、自社で抱えている課題は何か、何故その課題を解決しなくてはならないかを明確にすることが大事です。
働く環境の変化によって生じる様々な課題を明確にし、スマホと各種ITツールで解決しましょう。